「ホームページを作ったのに、患者様からの反響が少ない」「ネット検索でクリニック名すら出てこない」そんなお悩みをお持ちの先生は少なくありません。
このような課題を解決するのが、SEO(検索エンジン最適化)です。
今回は、SEO対策を行うメリットや、クリニックの集患に求められるSEO対策の実践方法と注意点を解説します。
SEO対策とは?
SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンで自院のホームページがより多く、より上位に表示されるように最適化する施策のことです。
検索結果において上位に表示されることで、より多くの患者様にクリック・閲覧されるようになり、集患力や認知度の向上に直結します。
関連記事:SEO対策とは?内部対策と外部対策をわかりやすく解説
クリニックがSEOに取り組むメリット
WEB広告費を削減できる
Google広告などのリスティング広告は、1クリックごとに費用が発生しますが、すべてのクリックが集患につながるわけではありません。
それに対し、SEO対策は一度上位表示を獲得できれば一定期間は安定的に集患できるため、大きく費用を削減できます。
認知度・集患力を高められる
患者様は通常、「クリニックを知る」→「比較検討する」→「予約する」→「来院」という段階を経てクリニックを選びます。
SEO対策を行い検索結果上位に表示されると、最初の「クリニックを知る」段階で多くのユーザーに認知され、集患に繋げることができます。
信頼性が向上する
検索上位に表示されているだけで、「信頼できるクリニック」だという印象を持たれやすくなるのがSEOの効果のひとつです。
「症状名」で検索して上位に表示されたホームページが、「地域名+診療科目」で検索したときにも表示されれば、接触回数が増え、信頼性が向上します。
加えて、質の高い医療情報を掲載していれば、患者様の不安を解消し、受診動機を後押しできます。
情報が資産になる
制作したページやコンテンツは、広告のように期間限定ではなく、継続的に価値を生み出す資産となります。
短期間で SEOの成果を出すのは難しいですが、院内ブログやコラム、症状解説ページなどを定期的に更新し、質の高いコンテンツを増やしていくことで、中長期的な効果が見込めます。
クリニックにおけるSEO対策の具体例
競合分析
まずは、自院の地域・診療科における上位表示されている競合サイトを確認し、以下の視点で分析すると、自院が狙うべきキーワードやコンテンツの方向性が見えてきます。
- どんなキーワードを使っているか
- どのような情報構成・ボリュームか
- 見やすさ、導線、画像の工夫など
キーワード選定
SEOで成果を出すには、ユーザーが実際に検索する言葉(=キーワード)を理解することが重要です。
クリニックでよく検索されるのは、地域名+診療科・症状名の形です。
- 「○○市 内科」
- 「○○駅 小児科 夜間」
- 「○○市 花粉症 クリニック」
これらのキーワードは来院意欲の高いユーザーが検索する傾向にあるため、直接的な集患効果が期待できます。
検索意図をふまえたコンテンツ制作
単にキーワードを含めるだけでなく、「この検索をした人が何を知りたいのか」を理解したうえで、その悩みに対して丁寧に応えるページ構成にする必要があります。
たとえば、「○○市 アレルギー科」と検索する人は、診療内容・対象年齢・検査の有無・予約方法などを求めているかもしれません。
検索意図に寄り添った情報提供が、検索エンジンの評価にも、患者様の満足にもつながります。
また、最新情報への更新を継続して行うことも、評価を向上させます。
写真・図・イラストの活用
テキスト中心のページだけでなく、院内写真・設備紹介・イラストによる症状説明などを取り入れると、院内の雰囲気や、ページ内容の理解が深まり、独自性も高まります。
特にGoogleは独自性の高いコンテンツを評価する傾向があるため、オリジナル画像は積極的に活用してみてください。
SEO対策で注目すべき重要ポイント
YMYL・E-E-A-Tを意識する
Googleは医療に関する情報を掲載しているサイトにおいて、特に厳しい評価基準を設けています。
その基準が「YMYL」と「E-E-A-T」です。
YMYLとは
YMYL は(Your Money or Your Life)の略で、人々の健康・安全・経済・福利などに関する情報を扱うサイトやコンテンツのことです。
これらは、生活や人生に大きく関わる情報のため、Googleはより厳格な評価基準を設けています。
E-E-A-Tとは
E-E-A-Tは下記の頭文字で、 Googleが独自に定めたサイトの品質を評価する指標です。
- Expertise:専門性
- Experience:体験
- Authoritativeness:権威性
- Trustworthiness:信頼性
医療サイトにおいては、信頼できる医師や医療機関が、専門的な立場で発信することが前提になります。
コンテンツSEOを実施する際には、記事ごとに著者や監修者として、医師の名前を明示すると、専門家の実名を記載しているとして、E-E-A-Tが向上し、上位表示につながります。
加えて、 顔写真や略歴、取得資格といったプロフィール情報を併せて掲載すると、ユーザーや検索エンジンからの信頼性がより高まります。
医療もYMYLに該当する分野のため、SEO対策を行う場合は、E-E-A-T を意識したコンテンツ制作を心がけてみてください。
関連記事:E-E-A-Tとは?SEO対策に欠かせない4つの指標を徹底解説
診療科目ごとに専用ページを作る
「内科」「小児科」「皮膚科」など、それぞれの診療科目や症状別にページを分けることで、検索エンジンはより高い専門性を認識します。
1ページで対策できるキーワードには限りがあるため、すべて詰め込むより目的別にページを分けると、上位表示されやすくなり、ユーザーにも親切です。
医療関連サイトからの被リンクを得る
SEOでは、自サイトが他の信頼できるサイトから紹介されているか(被リンク)も評価指標のひとつです。
医療系の学会サイト、専門ポータル、地域医師会サイトなどの、信頼性の高いページからのリンクは、検索エンジンからの評価向上につながるだけでなく、認知度アップにもつながります。
アクセス情報をわかりやすく掲載する
「クリニック名+地域名」で検索された際にスムーズに来院してもらうためにも、課金項目をわかりやすく掲載することで、SEOと実際の来院を両立できます。
医療広告ガイドラインに注意
クリニックなどの医療に関するサイトは、誇大表現や誤認を招く表現を避けることが絶対条件です。
厚生労働省の「医療広告ガイドライン」を守りましょう。
SEOに直接影響はありませんが、違反した場合は、懲役や罰金が科される場合もあります。
まとめ
クリニックのホームページを活用して集患につなげるには、SEO対策が不可欠です。
検索結果で上位表示されることで、認知度や信頼性が高まり、広告費の削減や来院促進につながります。
医療分野はGoogleの厳格な評価基準であるYMYLに該当するため、 E-E-A-Tや医療広告ガイドラインに注意して、コンテンツを制作してみてください。